近年,コンピュータ技術の目覚ましい進歩によって複雑な画像再構成が実現可能となりました.被検者にとってこの技術は被ばく低減や撮影時間の短縮といった直接的な恩恵以外にも,画質改善による診断能の向上といった間接的な恩恵も受けられます.最近の話題としては,X線CT,トモシンセシスおよび画像処理分野における逐次近似法,MRにおける圧縮センシングが注目されています.PETにおいてはtime of flight法を組み込んだ新たな画像再構成技術があります.
 従来の画像再構成法はシンプルな方法が多くインプットに対して比較的線形な再構成がなされていました.しかし前述の新しい方法は統計学的や幾何学などの処理が加わることで非線形な処理がなされており,より少ない被ばく線量で,あるいはより短い撮影時間で従来法と同等もしくはそれ以上の画質を提供できる可能性が謳われています.したがって,インプットによって再構成精度や画質が大きく異なることから従来の評価方法が適応できない場合も少なくありません.
 そこで今回の企画は,新しい画像評価方法も含めた画像再構成技術に関する論文を分野を問わず募集します.特に2014年春の第70回総会学術大会で発表された方,2014年秋の第42回秋季学術大会ならびに2015年春の第71回総会学術大会で発表を予定されている方の研究成果を是非ともこの機会に論文として投稿いただければと思います.多くの会員の投稿を期待しています.

チーフエディタ 内田 幸司(島根大学)
エディタ 小林 正人(長野市民病院)
  長木 昭男(倉敷中央病院)
  濵口 直子(札幌麻生脳神経外科病院)
  細貝 良行(東北大学)
1.対象分野 放射線技術に関連するあらゆる分野の画像再構成技術に関する論文で,本学会誌の投稿区分の原著・ノート・臨床技術・速報・資料のいずれかとする.
2.論文投稿締切日 平成27年6月1日(月)
3.掲載予定号 第71巻 第11号(平成27年11月20日発行予定)
4.論文の執筆と取扱い:
     ・論文ついては本会ホームページ「学会誌・論文投稿」の投稿規定を参照してください.
  ・非会員の論文筆頭著者の投稿料は,特集号に限って必要ありません.
  ・予定総ページ数を超えた場合や手続きの都合で特集号以降に掲載される場合もあります.