リンゴが落ちることや月が落ちずに回ることから法則が発見されたように,視覚に入る時間軸のコマ送りの動きを解析することで科学は新たなステージに進んできました.放射線画像においても従来は2次元静止画像が中心でしたが,技術の進歩により動きを克服し,時間軸のある放射線画像診断,4次元の放射線治療の時代へと突入しています.

 放射線画像診断分野では,動態と時間軸を組み合わせることで良悪性の鑑別や神経線維の走行異常などもわかるようになってきました.また,流速計測,呼吸動態,嚥下機能,免疫細胞動態,脳循環代謝,肝胆膵機能などの動態を解析し,動態の放射線画像が医療の進歩にかけがえのないツールとなってきています.

 MRI画像では,モーションアーチファクトを補正する技術や圧縮センシングなどの高速撮像方法など動きを克服する新しい技術が開発され,静止していない画像から動きを抑制した画像ができ,画像の動きに対する新たなステージもみえてきました.

 放射線治療分野では,動きを評価することで呼吸性標的体積を縮小でき,経時的な標的の変化を把握することで治療計画を修正する適応放射線治療も技術的に可能となってきました.また,肺や肝臓のように動きのあるターゲットに対しては透視やエコー,赤外線,金マーカなどを用いた動体追跡,動体追尾治療が行われ,リアルタイムの複雑な動きをより正確に捉える高精度放射線治療が実現できるようになってきています.

 従来,これらの多くの動きは臨床現場や研究者を悩ませ,これらの動きを乗り越えることで研究者と企業を結ぶ技術開発へ繋がっていったように考えます.

 本特集号では,分野を問わず動きに対する解析や追跡などの放射線画像や放射線治療に関する動態・動体をテーマとした論文を会員の皆様から募集します.過去の苦労と未来の創造のコマ送りの時間軸を繋ぐことで新たな放射線技術が生まれたように,現在の動きや流れを捉え,現在未来の研究者へ繋がる特集号となるように願い企画しています.会員の皆様の奮ってのご投稿をお願いします.

 本特集号では,分野を問わず画像診断や治療方針に相補的な情報を提供できる「機能画像」を利用した論文を会員の皆様から募集します.また,2016年の第72回総会学術大会で発表された方,2016年の第44回秋季学術大会ならびに2017年の第73回総会学術大会で発表を予定されている皆様からも奮ってのご投稿をお願いします.

 

チーフエディタ 田辺 悦章 (山口大学医学部附属病院)
エディタ 齋藤 茂芳 (大阪大学大学院)
  高津 安男 (大阪赤十字病院)
  川下 郁生 (広島国際大学)
  甲谷 理温 (川崎医科大学附属病院)

 

1.対象分野: 放射線技術に関連するあらゆる分野の動態・動体に関する論文で,本学会誌の投稿区分の原著・ノート・臨床技術・速報・資料のいずれかとする.
2.論文投稿締切日: 平成30年6月1日(金)
3.掲載予定号: 第74巻 第11号(平成30年11月20日発行予定)
4.論文の執筆と取扱い:
  論文ついては本会ホームページ「学会誌・論文投稿」の投稿規定を参照してください.
  非会員の論文筆頭著者の投稿料は,特集号に限って必要ありません.
  予定総ページ数を超えた場合や手続きの都合で特集号以降に掲載される場合もあります.