日本では超高齢化社会を迎え,世界に誇る長寿国になっています.しかし,健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間を「健康寿命」と呼び,内閣府の調べでは「平均寿命」との間に男性で約9年,女性で約13年の差があります. 自立度の低下や寝たきりによる要支援・要介護状態は,健康寿命を縮める要因でありその原因の第1位は,運動器の障害で約25%を占めています.運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態を「ロコモティブシンドローム:運動器症候群」(以下 ロコモ)と呼び,その予備軍も含めると4,700万人が相当すると推定されています.その病態について専門科の医師よりわかりやすく解説をしていただきます.  
 また,骨粗しょう症の診断に欠かせない骨密度測定について,いろいろな測定方法の違いや測定精度の問題を紹介し,変形性関節症の早期発見に必要なX線撮影について「立位荷重」での撮影意義や,多方向撮影が増え被ばくによる心配がありますが,本学会が行っている被ばく線量の調査結果を踏まえて,撮影装置(検出器)のディジタル化による被ばく線量最適化の実践を紹介し,安心かつ安全に放射線検査を受けていただけることを十分に理解していただくことを目的としています.ロコモに関する正しい知識の普及と予防意識の啓発が,運動器の障害による寝たきりや要介護に至る要因を未然に防ぐ効果が高いことと,高齢者だけでなく20代の若者もロコモについて不安を感じていることがわかっています.
 

 予防意識を向上させて,早期発見のために整形外科専門医を受診し,安心して放射線検査を受けていただける機会となることを切望するとともに,市民の皆様の医療知識の啓蒙に貢献できれば幸いです.多くの市民の皆様のご参加をお待ちしています.

 

日時 平成29年11月19日(日) 13:30~16:30
会場 メルパルク京都5階
    〒600-8216 京都市下京区東洞院通七条下ル東塩小路町676番13
TEL 075-352-7444(代)
参加費 無料  
事前申込 不要  
プログラム 司会:中前 光弘(奈良県立医科大学附属病院), 菊元 力也(洛和会音羽病院)
   
第1部 いつまでも歩き続けるために ~ロコモティブシンドロームをご存知ですか?~
  奈良県立医科大学 朴木 寛弥
第2部 早期発見のお手伝い! ~安心安全な放射線検査のすすめ~
  1.骨密度測定「骨の年齢,調べていますか」
 
神戸大学医学部附属病院 甲山 精二
  2.一般X線撮影「立って撮るから,早くわかる」
  大阪大学医学部附属病院 松澤 博明
  3.被ばく線量「知ってて安心,撮影のあれこれ」
  藤田保健衛生大学病院 小林 謙一
第3部 寝たきりにならない.元気で歩き続けるために 
~ロコモテストと簡単なロコトレのすすめ~
  洛和会丸太町リハビリテーションクリニック 松井 知之
 第4部 質疑応答
後援 京都府,京都市,京都府医師会,京都私立病院協会,京都府放射線技師会,京都府看護協会,京都府栄養士会,京都府臨床検査技師会,京都府介護支援専門員会,KBS京都,京都リビング新聞社,京都新聞
連絡先 公益社団法人 日本放射線技術学会 事務局 
TEL 075-354-8989  FAX 075-352-2556