関東支部は,関東核医学研究会の発足に向けて,平成30年度第1回関東支部学術講演会を「脳機能画像をひも解く~認知症を探る~」というテーマにて開催します.既に認知症患者数が2025年には700万人を超えるとの推計値が発表されています.これは,65歳以上の高齢者のうち,5人に1人が認知症に罹患する計算となります.今後,高齢化に伴う認知症患者の増加への対応が世界共通の課題となっており,厚生労働省は関係省庁と共同で「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」を平成27年1月27日に公表しました.認知症ではスクリーニング検査として,最初に脳の病変の有無や形態異常の確認についてCT検査もしくはMRI検査が行われます.CT,MRI装置は近年技術進歩が著しく,一般的な装置でも高分解能の画像が提供されており,大脳や海馬の萎縮,脳溝の開大や脳室の拡張,腫瘍や出血などの病変も高分解能での確認が可能です.また,放射性同位元素をトレーサーとして用いたSPECT検査やPET検査は,生体の代謝や神経伝達機能などの機能を画像化することができます.近年,認知症の原因とされているアミロイドβとタウタンパク質を画像化するPET検査は,早期鑑別診断が極めて精度よく行えると考えられています.

 今回は認知症の専門家であり,また全国へ積極的に認知症の啓蒙活動も行われている千葉大学大学院医学研究院神経内科学講師 平野 茂樹先生にご講演していただくこととなりました. 我々の世界でも,脳機能検査に関わる新しいテクニックが進められていることから,今回の講演会では機能的磁気共鳴画像(functional MRI)を研究されている東京大学大学院 総合文化研究科進化認知科学研究センター 五月女 康作先生と脳核医学検査でご活躍されている国保直営総合病院君津中央病院 医療技術局 放射線技術科 江村 隆先生のご講演を含め,認知症に関する検査から臨床に至るまでを学んでいきたいと思っています.

 この機会に,多くの会員の皆様にご参加いただけますようご案内します.

     
テーマ 「脳機能画像をひも解く~認知症を探る~」
日時 平成30年7月8日(日) 13:00~16:00
会場 千葉大学けやき会館 
    〒263-8522 千葉県千葉市稲毛区弥生町1-33
参加費 会員 500円  非会員 1,000円
     
プログラム 12:30 受付開始
    13:00~13:40 「色々なMRI脳機能画像のキホン」
     東京大学大学院 総合文化研究科進化認知科学研究センター 五月女康作
    13:40~14:20 「しっかり収集・きっちり再構成 ‐認知症の核医学技術‐」
      国保直営総合病院君津中央病院 江村  隆
    14:30~16:00 「認知症における核医学検査の臨床と研究」
      千葉大学大学院医学研究院 平野 茂樹
       
その他 詳細は,関東支部ホームページ)でご確認ください.
問合先 千葉大学医学部附属病院 放射線部 飯森 隆志  E-mail iimori@chiba-u.jp