大会長挨拶
“Radiology for Everyone”公益社団法人日本放射線技術学会
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JRC2025、第81回日本放射線技術学会総会学術大会を2025年4月10日から13日まで、パシフィコ横浜で開催します。今回の大会テーマは「Radiology for Everyone」とさせて頂きました。今回のテーマはシンプルに英語のみです。あえて日本語に訳するなら「すべての人のための放射線学」となります。
さて、皆さんはどのような” Radiology ”を想い浮かべられるでしょうか? 私が診療放射線技師になった38年前は、” Radiology ”と言えば、CT・核医学・血管撮影はあったものの、放射線診断のモダリティとしてはX線写真が主流であり原点と言える時代でした。銀粒子を使用したアナログフィルムと増感紙を組み合わせて撮影し、暗室で自動現像機にフィルムを流して、現像、定着、水洗、乾燥の4工程を経て、1枚の写真が出来上がる。当時は、この4工程が90秒で出来るだけでも画期的な時代でした。また、現像液を調製するときに飛び散った薬液が酸化して変色するため、白衣を見れば診療放射線技師と分かる時代でした。現在では、白衣に薬剤のシミを見ることもなくなり、職場の匂いや音、そして撮影室の空間も大きく変わりました。時代の進化は激しく、X線写真はアナログ時代からデジタル時代へと大きく変貌し、今では、”写真”ではなく”画像”と言う言葉が定着しています。これらの進化は、放射線に関係する多くの理学・工学者の研究成果がもたらした「 Radiology for Everyone 」と言えると思います。まさに、JSRTが探求してきた“放射線技術学”の成果と言えるでしょう。
この進化の歴史を考える中、もう1つのテーマとして「原点回帰」を掲げ、アナログ時代を振り返りながらディジタル時代への移行で、得たもの、失ったものについて技術的な視点から再考し、近未来に急速に進むであろう 人工知能(AI)や医療DXを皆さんと一緒に考える大会にしたいと考えています。また、合同シンポジウムでは、DRLs2025の取り組み、人工知能(AI)、ゲノム診療と放射線診療について「未来医療を考える」を企画しております、その他多くのレクチャー、専門教育講演などを計画しております。
一方で、本大会と平行して開催しているJSRT-JSMP合同企画のInternational Conference on Radiological Physics and Technology (ICRPT)はご存知でしょうか?本大会では、4th-ICRPTを開催することになりました。502室に座れば1日中、英語発表、英語での質疑応答を体験することができます。JRC2025に登録していれば無料で参加できます。回を重ねるごとに、少しずつですが502室に多くの方の後ろ姿を見ることができ、国際学会としての発展を期待するところです。4th-ICRPTには、ぜひ英語セッションでの発表に挑戦してみてはいかがでしょうか? もしかしたら、未知の自分に出会えるかもしれませんよ。
さて、JRC2025のポスターをご覧頂けましたでしょうか? 本大会のJRS、JSRT、JSMP、各団体の大会長の想いが至る所に沢山詰まった「 Radiology for Everyone 」のポスターになっています。医師、患者、地方、遠隔医療、家族、ロボット手術、正当化、Society 5.0、横浜と多くの想いをこの小さな空間に詰め込めています。じっくりと見て感じて頂き、「 Radiology for Everyone 」を感じて頂ければ、幸いに存じます。
最後に、本大会は、パシフィコ横浜での4日間の現地開催と会期期間を延長し自宅や職場から好きな時間帯に参加できるオンライン開催も行います.日本中から、そして世界各国から本大会に多くの方が参加され、多くの熱い議論や新たな出会いが生まれるそんな大会になることを祈念しております。
実行委員一同、パシフィコ横浜で皆さんをお迎えできることを楽しみにしております。