2.図表スライドの注意点
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1スライドに1枚の図表: 1枚のスライドには、1枚の図表を出来るだけ大きく描きます(複数のグラフを1枚のスライドに組み込まない)。 |
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(2) |
縦軸,横軸の説明を加える: 口述発表では、横軸と縦軸が何を示すのかを簡単に説明するようにします。そうすれば、グラフの内容が理解しやすくなります。
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(3) |
締まりある図表を作成: グラフのスライドは、グラフの四方を枠で囲んで、さらに、軸上に目盛りを書き込むとデータが理解しやすくなります。 |
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(4) |
凡例は矢印で示す: 複数の曲線(プロットなど)を含むグラフでは、それぞれの曲線が何を示すのかが一目瞭然にわかるように、グラフの中に簡単な説明を矢印で示しましょう。 |
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グラフの色使いに注意: 複数の曲線を含むグラフでは、線の種類(実線、点線など)を変えたり、色わけすることが効果的です。しかし、文字スライドと同じように、背景と、線などのコントラストが高い色使いにしましょう(白地に黄色や薄い色は厳禁)。また,線の太さは、ほどほどに太い方が見易くなります(特に、スキャナで取り込んだ画像などは、線が細い場合が多いので注意)。
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(6) |
複雑な表は避ける: 複雑な表は、複数枚のシンプルなスライドに分けたり、できるだけグラフ化することを考えて下さい。どのデータが重要なのかをよく考えて作成することが大切であり、1枚のスライドにたくさんの文字や数字が並んだ表は厳禁です。 |
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C.発表時間を有効に使う
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発表時間を有効に使う |
(1)所属・氏名は言わなくてもよい |
(2)重要度の低い内容は見せるだけでよい |
(3)予稿原稿の修正はほどほどに |
(1) |
所属・氏名は言わなくてもよい: 発表の冒頭に、あなたの所属・氏名をいう必要はありません。あなたの名前と所属は予稿集、プログラム、スライドなどに書かれているだけではなく、発表の直前に座長があなたの所属・氏名を紹介してくれます。 |
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(2) |
重要度の低い内容は見せるだけでよい: リハーサルをしてみて、どうしても時間が足りないときには、重要度の低い内容の説明からカットしてください。例えば使用機器などの説明は、研究の重点となる場合を除き、見せるだけでよい場合もあります。 |
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(3) |
予稿原稿の修正はほどほどに: 予稿原稿の修正に時間をかけることはやめましょう。たとえ、予稿原稿にマイナーな修正個所があったとしても、会場で聴衆が注目しているのは、これから始まるあなたの発表内容です。 |
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D.おわりに
いろいろと細かな注意点を書きましたが、最も手取り早く上達する方法は、たくさん練習をすることです。また、「わかりやすい発表をしている人」の発表スタイル(スライドのカラーの使い方なども含めて)を真似ることでしょう。学会での口述発表の目的は、極言すれば、多くの聴衆の方々に、あなたの研究を理解してもらうことです。是非、これらのテクニックを身につけて、インパクトある学会発表にしてください。
最後に、あなたが聴衆の一人になった時には、良い研究発表をした方々に拍手をしては如何でしょう。どの研究者も、学会発表のために多くの時間をかけ、発表当日にそなえているのです。その努力に対して拍手をするのは、聴衆からのわずかながらの感謝の気持ちの表現ではないでしょうか? 聴衆からの反応は、発表者にとっては大きな満足感となり、次の研究発表への励みにもなります。是非、あなたが率先して拍手してあげてください。
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