大会長挨拶

 

新しい時代に対応した学術大会を目指して

公益社団法人日本放射線技術学会
第77回日本放射線技術学会総会学術大会
大会長 西出 裕子

 JRC2021は、ニューノーマル時代に対応した新しい形での総会学術大会となります。最も大きな変更点は、学術大会を従来のパシフィコ横浜を会場としたリアルとWebの両方で開催するということです。昨年のJRC2020は、新型コロナウイルスの感染拡大により残念ながらWebによる開催となりました。できなくなった企画がある一方で、Webのメリットも実感することができました。今大会は、横浜での従来通りの開催終了後、4月下旬より順次、シンポジウムや講演などの動画を配信していく予定です。

 JRC2021のメインテーマは、“Milestones and Beyond -先人たちの功績とその先へ-”です。Milestoneのもともとの意味は、1マイルごとに置いた標石、日本で言うと1里塚、でしょうか。これまで、放射線領域において、いくつものMilestoneを定め、その成果として現在の放射線技術学科があると思います。そして今後、新しいMilestoneを定めて進んでいかなければなりません。合同シンポジウム2では、マンモグラフィに関するMilestones and Beyond として“マンモグラフィシステムと画像の進化”と題してシンポジウムを行います。その他、大会シンポジウムや宿題報告、JCSとの合同企画のほか、昨年改定されたDRLs2020の解説、AIハンズオンセミナーや、専門部会・委員会の企画など、皆様のこれからの研究や臨床に役立つ企画をご用意して皆様をお待ちしています。

 また、JRC2021では、日本医学放射線学会(JRS) 、日本医学物理学会(JSMP)との3学会合同でシンポジウムや特別講演などの企画を行いますが、今大会では新たに、“震災から10年 -福島原発事故からの軌跡とこれから-”と題した合同市民公開講座を行います。3.11の東日本大震災からちょうど10年となる今年、原発事故を振り返り、今後に向けて何をなすべきかについての討論の場としたいと考えています。最終日になりますが、ぜひ討論に加わってください。

 今大会でも、昨年のJRC2020において、国際化に向けた新たなステージ、として企画した、JSMPとの共催による<International Session>を継続します。英語発表を分離し、発表から質疑応答まですべて英語で行うセッションです。会場となる501室は、JSMPとの合同企画、実行委員会企画以外はすべて英語になりますので、国際学会の雰囲気を十分に味わえるのではないかと思います。

 1年前の感染拡大以来、本当に手探りで、何度もスケジュールを変更しながら、JRCがOne Teamとなって準備を進めてきました。会場では、感染症対策に配慮する関係上、参加される皆様にはご不便をおかけすることもあるかと思いますが、Webではできないリアルタイムの質疑応答や情報交換を行っていただき、私たちが考える、学術大会の目的が達成されることを切に願っています。