平成23年7月24日から31日にかけて,『2011 Summer Symposium on State of the Art Imaging』と題して,アメリカカリフォルニア州にあるスタンフォード大学で研修を受けてきたので報告する.
本研修は今回で6回目を迎え,毎回20名の実績ある診療放射線技師を公募し,世界の医療を牽引するスタンフォード大学で放射線関連の講義を受講する.
講義内容は,Molecular Imagingについての詳細な講義や最新知見,C-13 Hyper Polarized MRIやHigh field MRIといったスタンフォード大学内で行われている研究成果の報告,また,Cardiac MRI & CTやBreast MRIなど我々の業務に密接している臨床的な講義などであった.施設見学では,『Varian』の工場見学,学内では『Molecular Imaging Lab』『3D Lab』『University Hospital & Imaging Center』など充実した施設を案内して頂いた.昨年は『7T-MRI』を使った実機演習があったが,今年は残念ながら装置のバージョンアップにより,見学が出来なかった.しかし,スタンフォード大学側の配慮により3T-MRIを使った『functional MRI』の実機演習をさせて頂き,最新の研究の取り組みを知ることができたため,研修生の多くは満足していたようである.
この研修の醍醐味は,一週間の共同生活を通じて,20名の参加者が強い絆で結ばれることと考えており,これは,何よりも代え難い大きな財産となり,仕事の励みにもなると考える.この貴重な経験は,本研修の参加者にとって日々の診療業務や研究活動に貢献し,さらには海外へ躍進する契機となるよう願っている.
研修生の皆様には,報告書の作成にあたり「この研修に求めたものと達成感について」「出会った仲間との今後の関わりについて」「日本の放射線技師のあるべき理想像(教育も含めて)」の3点をテーマに記述して頂いた.下記20名の6期生報告書を読んで頂き,我々が感じた感動と,日本の診療放射線技師のすばらしさ,そして可能性の大きさが少しでも伝われば幸いである.

引率  京谷 勉輔(神戸大学医学部附属病院)

研修参加者(20 名)

麻生 弘哉 (土谷総合病院) 橋田 昌弘 (熊本大学医学部附属病院)
荒井 信行 (名古屋市立大学病院) 人見   剛 (川崎医科大学附属病院)
飯森 隆志 (千葉大学医学部附属病院) 松浦龍太郎 (岡山大学病院)
牛尾 哲敏 (滋賀医科大学医学部附属病院) 松下  利 (岡山画像診断センター)
川崎 伸一 (市立旭川病院) 松竹 裕紀 (久留米大学病院)
河本 佳則 (府中総合病院) 水野 吉將 (奈良県立医科大学附属病院)
酒本   司 (国立病院機構九州医療センター) 森山  茂 (鳥取大学医学部附属病院)
田中 利恵 (金沢大学) 柳川 康洋 (大阪大学医学部附属病院)
近沢  苑 (山口大学医学部附属病院) 矢部  仁 (埼玉県立小児医療センター)
根宜 典行 (神戸大学医学部附属病院) 横町 和志 (広島大学病院)

敬称略(50音順)