「医療情報」とは、簡潔にいえば「医療に関する情報」という事になりま す。では「医療に関連する情報」とは何でしょうか。患者さんの氏名、生年月日、住所といった基本的な情報に始まり、診察室での医師とのコミュニケーション の記録や検査の結果などの診療に関わる様々な情報が含まれ、大半が個人情報で構成されています。国民一人一人の個人情報が医療情報の礎となっており、これ らの情報を集約し、様々な臨床での研究結果が学会や専門誌等で公表されています。これらの科学的根拠に基づき、そして自分の持っている経験や技術と医療を うける患者さんの価値観や生活の質をあわせて考慮し、医師や看護師、薬剤師、診療放射線技師などの医療スタッフは診療(診察・看護・検査・治療)を行いま す。(EBM:Evidence Based Medicine/科学的根拠に基づく医療)
放射線部門における医療情報としては、検査依頼情報(患者さんの氏名、性別、検査目的)、検査結果(レントゲン画像、3D画像、画像診断報告書など)など が挙げられ、今では紙やフィルムといった物理媒体ではなく電子媒体で取り扱われ、院内の診察室などにはじまり、近隣の診療所や病院などの他の医療機関と 様々なやり取りが行われています。
日本放射線技術学会では、前述しました個人情報を多く 含んだ医療情報が安全に受け渡しされるように、標準的な方法や仕組みをガイドラインという形で発信し、患者さんに安全で安心できる医療が提供されるシステ ム環境作りの啓蒙活動を行っています。また、その他にも診療業務の安全性の向上、非効率性の省力化や医療機関の経営改善などに貢献できる情報システムを利 用した研究などのサポートも行っています。