Q1:マンモグラフィはどんな検査ですか?

マンモグラフィとは乳房のX線撮影のことです。乳房は皮膚や脂肪、乳腺などX線の透過の差が少ない組織から構成されています。そこで、コントラストのよい画像を作るため、エネルギーの低いX線を使って撮影します。
装置はいろいろな角度をつけることができます。標準の撮影では、上下方向(頭尾方向)と、台を斜めにして体に沿った角度をつけた斜め方向(内外斜位方向)との2方向が撮影されますが、50歳以上の乳がん検診などでは、斜め方向だけ撮影する場合もあります。

乳房専用X線撮影装置 上下方向(頭尾方向)撮影 斜め方向(内外斜位方向)の撮影

Q2:マンモグラフィはなぜ乳房を押さえて撮影するのですか?

薄く広げた乳腺を固定するためです。薄く、さらに薄く伸展させ、固定することにより、

  • ①乳腺の重なりが少なくなり、中に小さな病気があったときに見つけやすくなる。
  • ②ボケやにじみの少ない、シャープな画像が得られる。
  • ③X線の量(被ばく線量)が少なくてすむ。

下の写真はイチジクをマンモグラフィの装置で撮影したものです。
中央の写真はほんの少しの圧力で固定していますが、右の写真は少し強く押さえています。
右の画像では中央の画像でわからないイチジクの中の小さなツブツブが鮮明に写っています。

Q3:マンモグラフィでは乳がんはどのように写りますか?

乳がんは白っぽいかたまり“腫瘤”や、白い細かな顆粒“石灰化”などで見つけられます。乳腺が引きつれたようになっていたり、ゆがんだように写っているときも注意が必要です。
ただ、“がん”だけがそのように写るのではなく、良性の病気でも同じように写って見えるものもあります。マンモグラフィで二次検査が必要ですと言われても、全部が乳がんというわけではないので、いたずらにこわがらないで、さらに、超音波の検査や、MRI、CTなどで良悪性の鑑別をつけていくことが必要です。

Q4:マンモグラフィは痛いですか?

マンモグラフィは、できるだけたくさんの乳腺を1枚の画像の中に写そうと、乳房を引き寄せたり、引き出したり、薄く伸ばしたりという技師の作業があります。乳腺が硬く、伸展しにくいような乳房や、乳腺が張った時期などでは痛みを伴うことがあります。生理前の時期で乳房痛がある方などは、生理が終わったすぐあとの乳腺の柔らかい時期に撮影すると痛みが少なく、乳房が薄く広がった、よい画像が得られます。
また、撮影台の角度や高さが合わなかったり、皮膚だけ引っ張られていたりすると痛いこともあるので、検査中に痛いときは遠慮せずに技師にお話しください。

Q5:マンモグラフィで注意することは?

乳がん検診では、早期の小さな乳がんを発見することが大事ですが、病気のない人には、“異常ありません“と安心を保証できるような画像が提供されることも大事です。安全で信頼できる画像を作るということから、妊娠中・授乳中の方、豊胸術後の方、ペースメーカーやシャントの入っている方などはマンモグラフィ検診を受けることはできません。また、手術などでキズのある方は主治医に撮影可能かご確認ください。
但し、方向を変えて撮影したり、その部位だけを撮影したりということもありますので、一概にマンモグラフィの撮影ができないというわけではありません。主治医や放射線技師にお尋ねください。

Q6:マンモグラフィの被ばく線量はどのくらいですか?

マンモグラフィのX線の量は平均乳腺線量といって、乳腺の線量で表します。
日本やアメリカのガイドラインでは、厚さが42mm、脂肪と乳腺の割合が半分ずつの乳房模型(ファントム)を撮影したとき、1枚あたりの平均乳腺線量が3mGy以下になるように決められていますが、現状では、日本のマンモグラフィの装置では、ほとんど2mGy以下で撮影されています。
また、少なくとも1年に1回は線量測定を行い、装置と線量の管理をしています。実際には、受診者の方の乳房の厚みや、乳腺の量の割合によって線量は変わってきますが、将来、白血病や発がんなど、身体に影響が出るような線量ではありません。
当学会も構成団体のひとつであるNPO法人マンモグラフィ検診精度管理中央委員会では、医師・技師の個人認定を行うとともに、基準以上の画像が提供され、また機器や線量の精度管理も実施されている施設の認定も行っています。ホームページで公表されていますので、参考にしてください。