現代医療の発展の中において,画像診断装置の技術発展が医療現場の診療の中で大きな貢献を果たしているといっても過言ではないでしょう.CT装置を開発した先人達は,γ線を駆使して物体の内部構造を調べることから始め,後にX線と高度な演算処理が可能なコンピュータを使用して生体の横断像を医療現場に提供できるまでに発展させ,近年では,わずか数秒で全身の横断像を得るまでになりました.このCT装置の発展に触発されるかのように,X線装置や透視装置ではフラットパネルの日常診療への利用が一般化し,MRI装置は断層像のみならず機能的なイメージングや定量評価も可能な機器へと発展し,核医学検査の分野では,機能画像と形態画像を複合して診断精度を高めたPET-CT装置も普及するようになりました.また,画像診断で得られた詳細な画像情報を元に,高度な放射線治療も行なわれています.
 腹部領域における画像診断や放射線治療は,それぞれ疾患に応じて多様な診断装置や治療装置が用いられるようになりました.これらの装置の検査手法や結果に対する疑問点から,改善点や新しいアイデアを考案し,それらを良い形で研究へと発展させて多くの発表や論文化へ結びつけていくことは,医療技術発展への寄与だけではなく診療放射線技師の地位向上の一助にもなるかと思います.
 本特集号では分野を問わず,腹部領域において技術的側面から臨床に寄与し,新たな付加価値を提供できるような会員の皆様からの論文を募集します.また,2015年の第71回総会学術大会で発表された方,2015年の第43回秋季学術大会ならびに2016年の第72回総会学術大会で発表を予定されている皆様からも奮ってのご投稿をお願いします.

   
チーフエディタ 山本 晃義 (戸畑共立病院)
エディタ 瓜倉 厚志 (静岡県立静岡がんセンター)
  坂本  肇 (山梨大学医学部附属病院)
  辰己 大作 (都島放射線科クリニック)
  林  則夫 (群馬県立県民健康科学大学)
     
1.対象分野: 放射線技術に関連するあらゆる分野の腹部領域に関する論文で,本学会誌の投稿区分の原著・ノート・臨床技術・速報・資料のいずれかとする.
2.論文投稿締切日: 平成28年6月1日(水)
3.掲載予定号: 第72巻 第11号(平成28年11月20日発行予定)
4.論文の執筆と取扱い:
  論文ついては本会ホームページ「学会誌・論文投稿」の投稿規定を参照してください.
  非会員の論文筆頭著者の投稿料は,特集号に限って必要ありません.
  予定総ページ数を超えた場合や手続きの都合で特集号以降に掲載される場合もあります.