本叢書は核医学実験の入門書として皆さんが日常の検査で遭遇すると思われる疑問を俎上に載せ,解決手法を習得することを目的としています.実験項目は初学者に必要な基礎的な内容に絞り,極力難しい表現を避けるように努めました.また,実験を行う際に必要な実験計画書の作成,放射能濃度の調整,実験結果のデータ入力やグラフ化などが容易にできるようにWord,Excel等のテンプレートを用意しました.
 第1章では放射線物理,ガンマカメラ装置およびPET装置の構成,核医学実験用ファントムの紹介,核医学実験計画書の作成や安全管理など核医学実験に必要な基礎知識を習得することを目的としています.第2章では「脳血流SPECT」,「心筋SPECT」,「腫瘍SPECT」を対象に実際にガンマカメラ実験を行うために必要なファントムの選択,放射能濃度の調整,画像評価などについて解説し,自ら実施できるスキルを身につけることを目的としています.第3章では「がんFDG-PET/CT撮像ガイドライン」,「画像再構成条件」,「ノーマライズとクロスキャリブレーション」を正しく理解したうえで,「脳PET撮像実験」,「腫瘍PET撮像実験」,「呼吸同期PET撮像実験」を実践できることを目的としています.第4章ではシミュレーション実験を行ううえでの基礎知識と実例を分かりやすく紹介しています.第5章ではガンマカメラ装置およびPET装置の性能評価試験の基本的な項目を身につけることを目的としています.
 これから核医学実験を始めようと思っている多くの方々に読んでいただき,助力となることを願っています.

書名 放射線医療技術学叢書(37)「初学者のための核医学実験入門」
企画 核医学部会
頒布価格 1,500円(消費税込,送料学会負担),A4版,本文141頁
    この叢書は,関連する企業の協賛をいただき,その広告料をもって頒布価格を安くすることができました.
主要内容
第1章: 核医学実験に必要な基礎知識
第2章: ガンマカメラ実験
第3章: PET実験
第4章: シミュレーション実験
第5章: 性能評価試験
第6章: 付録
発刊日 平成28年10月5日
購入方法 本会ホームページ“出版物” よりお申し込みください.
問合先 学会事務局書籍担当  E-mail blaetter@jsrt.or.jp