【背景】

日本における診断参考レベル(DRL)が2015年6月にJ-RIMEよりDRLs2015として発表され、血管撮影・IVR領域でのDRLsは「透視線量率:20mGy/min」とファントムを利用しての基準透視線量率に設定されています。このDRLsは、装置の透視線量率をコントロールすることにより透視画質を考慮し患者被ばく線量の最適化を目指すものであります。一方、血管撮影・IVR領域は他の診断領域と大きく異なる特徴があり、術者である医師による医療被ばくへの関与が大きい領域であることから、今回のDRLsは手技中の術者にとって最適化へ繋がる臨床での数値設定となっていない点から利用が難しいとの指摘があり、術者の参考となる指標の確立が急務となっております。

 

【調査の協力お願い】

日本脳神経血管内治療学会(JSNET)と日本放射線技術学会(JSRT)の学術研究班であるDRLs 2015の血管撮影・IVR分野における効果検証および追加項目に関する検討班との合同調査として「脳血管内治療に関する診断参考レベル構築のための医療被ばく実態調査 (Re-JDRL study)」が開始されました。

 

  • 調査はJSNET専門医の施設へ調査依頼、研究参加依頼書、Re-JDRL_線量調査シートなどが送られております。
  • Re-JDRL_線量調査シートには各症例での臨床情報と線量情報を入力する項目があり、線量情報に関しましては脳神経血管内治療医師が全てを入力することが難しいと考えられます。
  • 日本放射線技術学会の皆さまには日常診療にてご多忙の所、大変恐縮ではございますが、各施設での調査記載にご協力いただけますようお願いいたします。

 

【調査の効果】

 本調査は、今後行われる医療法施行規則の改正(平成 30 年秋公布予定、平成 32 年 4 月施行)での線量管理に向けた「診断参考レベル」の基礎的データになり得るとともに、各施設における「防護の最適化」を行うための必須となる自施設データの集計作業でもあります。

 

【倫理的配慮】

  • 本調査は、筑波大学附属病院倫理委員会の審議に基づき、筑波大学附属病院長の許可を得て、国内多施設共同で実施するものです。
  • 本調査は、公益社団法人日本放射線技術学会から承認を受けた、平成28.29年度学術調査研究班「DRLs 2015の血管撮影・IVR分野における効果検証および追加項目に関する検討班」の活動の一環として実施いたします。本研究班と日本放射線技術学会との間に申告すべき利益相反はありません。

 

問合先

本調査に関する質問、参加ご協力いただけますご施設などございましたら、下記まで問い合わせください。

  本学術調査研究班長:坂本 肇(山梨大学医学部附属病院)
  E-mail:hajimes@yamanashi.ac.jp

班員

五十嵐 隆元 総合病院国保旭中央病院診療技術部放射線科
塚本 篤子 NTT東日本関東病院 
加藤 英幸 千葉大学医学部附属病院
加藤 守 秋田県立脳血管研究センター
川内 覚 国家公務員共済組合連合会 虎の門病院
赤羽 正章 国際福祉医療大学
盛武  敬 産業医科大学