プログラム委員会では,魅力ある学会発表を促進する観点から学術大会において「テーマ」を設け,演題の募集をおこなっています.採択された演題は,一般演題発表に比べ十分な発表時間(10分)と質疑応答の時間(5分)を設け,会員間の意見交換ができる構成にしています.

 第48回秋季学術大会では,下記3つのテーマを設定します.多様な競技者が集い修練の成果を発揮するオリンピックのように、モダリティやジャンルを超えた研究成果の発表の場となりますよう、奮ってご応募ください.なお,詳細な募集要項については,学会誌第76巻3号に掲載予定です.

 

テーマ1:「線量管理」

医療法施行規則の一部を改正する省令(平成 31 年厚生労働省令第21号)等により,放射線診療を受ける者の医療被ばくの防護を目的として,医療機関における診療用放射線に係る安全管理のための体制の確保を講じることが規定されました.

モダリティは問いません.市販の線量管理ソフトの性能比較だけでは無く,診断参考レベル(DRL)に基づいた線量管理手法の構築や解析結果から撮影条件の見直しなどに発展した事例,診断参考レンジの必要性など科学的根拠に基づいた研究を募集します.

 

テーマ2:「心臓」

放射線技術学では「モダリティ」=「専門性」という考え方がある一方で、「疾患」や「臓器」を対象に、様々なモダリティからの多角的な視点を持つことも重要であります.

今回テーマ演題としました「心臓」は,いずれのモダリティにおいても動きの制御等が共通の課題となる一方で,画像診断で得られる情報はモダリティ独自のものであり,まさに多角的視点が求められる臓器のひとつではないでしょうか. 多くの心臓スペシャリストによる,多様なディスカッションの場となることを期待しています.

 

テーマ3:「スポーツ医学」

 スポーツと放射線医学との関連は深く,スポーツ外傷の画像診断から,リハビリ等における機能回復の評価等が幅広いモダリティで行われており,さらに近年では科学的なトレーニングやアスリートの能力評価のために放射線医学を役立てるような研究も盛んになっています.我々の技術の進歩がアスリートの能力発揮に役立っているとすれば,まさに「One Team」ではないでしょうか.ラグビーW杯の成功や東京オリンピックが開催される今こそ,放射線技術を集結させたセッションになることを期待しています.