われわれ診療放射線技師は，「息を吸って息を止めてください」「息を楽にしてください」という『写真を撮る人』のイメージが強く，一般の方には「レントゲン技師」として親しまれています．しかし，医療現場の診療放射線技師は，診断から治療，経過観察まで幅広く活躍しており，様々な医療機器の安全な取り扱いに基づく医療に役立つ画像情報の提供に加え，基礎から最先端の技術までの幅広い研究活動も行っています．こうした診療放射線技師の様子は，これまで一般市民には知られておらず，その知名度も医師・看護師ほど高くありませんでしたが，あるドラマをきっかけに医療現場における診療放射線技師の役割の理解が進んだように思います．そこで今回，多くの方に診療放射線技師の役割をさらに理解いただくとともに，医療画像の奥深い世界に興味を持っていただくことを目的にシンポジウムを開催します．

　ドラマでは描かれなかった放射線技術のわかりやすい解説を通じて，医療放射線を取り扱うスペシャリストである診療放射線技師の役割を多くの方々に知っていただく切っ掛けとなること，放射線技術に基づく質の高い放射線検査が安心して受けられる環境にあることを知っていただく機会を設けることで医療に対する親近感や安心感がさらに向上するのではないかと考えています．