この度,叢書41「単純X線撮影における品質管理マニュアル」を発刊する運びとなりました.

本叢書は「画像の合格基準」と「装置管理」の2部構成となっています.「画像の合格基準」では撮影体位,撮像範囲,画像処理,チェックポイント,留意事項から構成されており,さまざまな撮影部位について標準的な撮影方法および画像のチェックポイントについて記載しました.留意事項等に施設ごとの取り決めを追記することで,マニュアルとしても使用できる作りとなっています.また,白紙のページを数枚用意しました.施設で採用されている特殊な撮影方法について記載するなど,唯一無二のマニュアルとして活用していただきたいと思います.「装置管理」では,X線撮影システムの品質管理に必要な規格について解説しました.受入試験から日常管理まで幅広い内容となっています.

診療放射線技師として就職した際に,最初の業務として単純X線撮影を担当することは少なくありません.しかし,多くのモダリティを担当する現在では,単純X線撮影のみを専門にすることは大学病院や大規模病院の特殊な場合を除き,ほとんどありません.そのため一貫性のある基準や手順の確立が難しく,施設間や個人間での違いやばらつきが生じている可能性があります.また,医療技術は日進月歩であり,以前当たり前であった画像の判断基準が変化している可能性があります.

そこで,撮影部会として,乳房撮影やCT検査の標準化に取り組んできた実績から,叢書としてエビデンスのある基本的な画像の合格基準を提案し,その後セミナーを開催していく予定です.施設の環境や医師の要望を加味した各施設に特化した合格基準が出来上がるサポートをしていきたいと考えています.ぜひ,本書を手に取ってセミナーにご参加いただきたく思っています.

書  名:放射線医療技術学叢書(41)「単純X線撮影における品質管理マニュアル」
企  画:撮影部会
頒布価格:1,500円(消費税込),A4版,本文140頁
この叢書は,関連する企業の協賛をいただき,その広告料をもって頒布価格を安くすることができました.
主要内容:総 説:単純X線撮影システム
                    第1章:画像の合格基準
                    第2章:装置管理

発 刊 日:2024年8月23日
購入方法:本会ホームページ“書籍ウェブショップ”よりお申し込みください.

問 合 先:学会事務局書籍担当  E-mail blaetter@jsrt.or.jp