2023年度より,当研究班は全国規模で幼児・小児のX線撮影による医療被ばくの実態調査を行っております.国内において,医療放射線に対する関心は高まりつつあり,診断参考レベルや線量管理に関する意識も広がっています.しかし,現状では,本邦における乳幼児や小児のX線撮影線量に関するデータの多くが,スクリーン/フィルムシステムやCRシステム時代のものであり,最新の情報とは言い難い状況にあります.さらに,近年の小児股関節撮影における防護シールドの撤廃に関する議論も進む中で,現在普及しているX線装置やFPDシステムにおける臓器線量を含む被ばく線量の実態を解明する必要性を感じております.
 そこで,全国の特定機能病院,小児専門医療機関,および地域医療を担う基幹病院,また中小の病院やクリニックを対象に,幼児・小児の様々な撮影部位におけるX線撮影条件を調査することといたしました.これにより得られたデータを基に,被ばく線量の測定や画像の視覚評価を行い,被ばく線量と画質のバランスを検討するための重要なデータとして活用することを目指しています.まずは,全国の医療機関における幼児・小児のX線一般撮影検査における撮影条件について調査を行いたいと存じます.
 本アンケート調査は,幼児・小児における被ばく線量の現状と画質のバランスを考慮する上で,非常に貴重なデータとなるものです.調査はインターネット上の回答フォームを通じて無記名で実施され,回答者個人が特定されることはございません.収集されたデータは集計後,統計データとして学会発表等で公表させていただきます.また,一部の結果は,日本の診断参考レベル2025にも採用される予定です.
 本研究の趣旨をご理解いただき,調査へのご協力を賜りますよう,何卒よろしくお願い申し上げます.
  

研究責任者
 福島県立医科大学 保健医療学部     広藤 喜章
分担研究者
 金沢大学 医薬保健研究域         松原 孝祐
 東北大学 大学院医学系研究科保健学専攻  稲葉 洋平
 茨城県立こども病院            本元 強
 国立病院機構 埼玉病院          皆川 梓
 広島国際大学 保健医療学部        山本 めぐみ
 福島県立医科大学附属病院         成瀬 正理
 

アンケート調査内容の確認および回答は,下記のサイトからお願い致します.

URL:https://x.gd/KwCs8

回答期限:2024年11月30日(土)