投稿の手引き

≪ まえがき ≫

この手引きは,投稿規定を補足し,併せて論文を投稿しようとする会員が学術論文を書くときに役立つよう企画したもので,原著論文を目安に述べている.投稿の際には投稿規定を守り,本手引きを参考にして書いていただくよう希望する.なお,論文書式テンプレートの体裁に則ることが基本である.

1. 論文のまとめ方

論文は述べようとする内容をわかりやすく効果的に書くことが基本である.そのためには関係する文献をよく調べ,すでに発表された業績(論文)を無視しないように心掛ける.そのうえで自分の研究の主張や実験方法・結果などが他の研究よりも合理的で新規性がある,あるいは優れていることを客観的に明らかにすることが大切である.そのための要件は,研究の立案,データの収集や見方,まとめ方であって,具体的には実験の進め方,記録の整理ということになる.
論文は読者に理解されて初めてその使命を果たすものであり,著者の意図するところが読者に正確に伝わるように工夫すると同時に,表現の簡潔さが求められる.表現や言い回しに凝ることなく,用字・用語は現行の「常用漢字表」(昭和56.10. 1,内閣告示第1号),「現代仮名遣い」(昭和61. 7. 1,内閣告示第1号),「送り仮名の付け方」(昭和56.10. 1,内閣告示第3号),「外来語の表記」(平成3. 6.28,内閣告示第2号)をよりどころとして,口語体で正確に書く必要がある.一般に国語辞書には凡例,または付記に,国語の書き表し方について法令に基づいた解説が載っている.国語の書き表し方が不安な場合には辞書を引く習慣が肝要である.なお,辞書は「現代仮名遣い」が改訂された昭和61年7月以降に編集されたものの利用を薦める.
ワードプロセッサで作成した場合の漢字変換の間違いには特に注意を払う.

2. 論文の構成

論文の構成と表現については,原則として,表題,サマリー(要約),緒言,方法,結果,考察,結語,参考文献という構成でまとめる.

≪ 2-1 表題 ≫

抽象的でなく,内容を具体的に示す表題とする.長いときには主題と副題に分ける.同様の表題の後に「(第○報)」「(その○)」などを付すことはせずに,固有の表題とする.

≪ 2-2 サマリー(要約) ≫

英語で書く必要があり,長さは250語以内とする.アルファベット6文字で1語と計算する.ピリオドやスペースも1字として数える.ここでは目的,方法,結果,考察を各1文程度で簡潔に書く.Key Wordも5語程度つける.
和文の英訳にはインターネットを利用するのも一法であるが,このとき注意することは,1センテンスをできるだけ短く書くことである.あらかじめ専門用語などを入れると,比較的スムーズな英文となる.ただし訳文は自分で十分チェックすることが重要である.

≪ 2-3 緒言 ≫

研究の背景と今までの研究との関連,目的などを明解に述べる.すなわち(1)テーマの背景と研究の意図,(2)関連した 論文との相違,(3)それと本研究との関連など,論文を理解してもらううえでの概要を記述する.読者はここを読むだけで,最後まで読む必要があるか,ない かを判断することになり,たいへん重要な部分である.なお,緒言には見出し番号を振らず,方法から1.方法とする.

≪ 2-4 方法 ≫

研究に用いた機器・材料や実験方法は,読者が追試できるように具体的に記載する.すでに広く用いられている材料,方法, あるいはそれが他の文献に詳しく記述されている場合には「・・・の方法」とし,具体的な用具・材料の名称を記すだけでもよく,文献を示しておく.機材など の会社名は,正式名称を用いる(株式会社◯◯製‥,◯◯株式会社製‥など).実験方法・材料を図・写真で示すことは具体的でよい方法である.

≪ 2-5 結果 ≫

結論を導き出すためのデータであり,自分の主観を入れずに書く.実験結果の羅列ではなく,図表を用いてわかりやすくまとめる.そこから読み取れる事実を簡潔に記述する.

≪ 2-6 考察 ≫

考察は論文の最も重要な部分であり,(1)研究で得た結果から,新しい知見の整理と解明,すなわち結果の分析を行う. (2)これまでに知られている結果との関係付け,あるいは他の研究との相違点に比較検討を加える.(3)これらから導き出した法則性や論理的な推論を加え る.
上記の事項は結果から得られたことを基本にし,結果とかけ離れた論議は行わない.予測にわたる部分は,読者に誤解を与えないように注意して加えてもよいが,論理に飛躍がなく,よく検討された内容とする.

≪ 2-7 結語 ≫

ここでは,結果に考察を加えた結論を手短に記述する.したがって,研究から得られた具体的な真理の記述が中心になる(文体は現在形で書くほうがよい).得られた結果以上のことは書かない.

≪ 2-8 謝辞 ≫

本文の最後と引用文献欄との間に挿入する.研究を行ううえで実験・討論で助力や材料などの 提供を受けたとき,また論文になる過程で援助を受けたときには,その援助者および機関の名称ならびに援助の内容などを記載して謝意を表す.特別な研究費に よって研究を行ったときも同様である.論文の内容を学会などで発表していれば,年月日,学会名,開催地を記しておく.

≪ 2-9 参考文献および脚注 ≫

2-9-1 引用文献
(1) 学術論文はその内容について独創性を持つことが要求される.したがって,同種の研究論文がすでに発表されているか否かをよく調査し,その内容との相違点を明らかにしておくことが大切である.
(2) 実験方法,数式,データ数値などでオリジナリティを持つものを他の研究論文,レポート類から引用する場合,必ずその出所を明らかにしなければならない.ただし,研究の背景となった教科書,参考書など一般的な文献を引用する必要はない.
(3) 引用文献を明記する目的は,論文の主内容について著者自身の独創性のある部分とそうでない部分を区別し,著者の主張を明確にするためである.単に引用文献の数が多ければよいというものではない.
(4) 引用文献の内容を十分に理解したうえで,引用した本文箇所の右肩に引用順の通し番号を括弧で付ける.原文を読まないまま,孫引き(引用した論文でさらに引用した文献を記載する)をしてはならない.
(5) 投稿中で出版されていない論文を引用するときには,その論文が受理され掲載の確定したものに限る.また学会発表の予稿集からの引用は価値がないが,後日抄録集として印刷されたものは引用してもよい.これらの基準は発表内容が刊行物として一般に公開されたか否かによる.
(6) 論文形式をもたない情報やデータは,情報提供者の名前を明記して出所を明らかにする.
(7) これらの引用文献は論文の最後に参考文献として番号順にまとめて記載する.
(8) 原則として原著論文に掲載される図はオリジナルなものに限る.総説などの原著論文以外の記事に図表を引用掲載する際の注 意点は次の通り.特に注意がいるのは,著者がすでに他の学会雑誌に投稿した論文の図表を引用する場合である.掲載された内容,図表のすべての版権は学会ま たは発行出版社に帰属し,著者といえども無断で他に引用することはできない.この場合には,(a)第三者が見て明らかに別図とわかるように大幅に書き換え る.(b)正式に版権を有する出版元の許可を受け,図の説明文の中に出版元を明記する,のいずれかが必要となる.こうした著作権上の取扱いは特に大切で, 権威ある学術誌ほど厳重にチェックされる.
なお,参考文献の記入例については〔付録 3〕,〔付録 4〕に記載する.
(9) 電子論文を除いて,「私信」などインターネット上の資料は原則として引用しない.
電子情報を引用する場合は,そのデータを確認した最終期日を記載する.
2-9-2 脚注(付録)
本文や図表の中で説明するには,文章や数式が長すぎたり,内容を異にして全体として文章バランスを失うようなときには,その箇所を脚注として図表やページの下欄に別枠で説明することができる.さらに理論式の展開でその途中が必要な場合や,計算プログラムなど本文とは別に取り扱うことのできるものは,論文の付録としてページを取ることもできるが,これらはすべて原稿の枚数に加算される.

≪ 2-10 図(写真)・表 ≫

図表を取りまとめて本文の後につける.論文中に図表を使用するのは,文では説明が長くなるとか,表現が難しく繁雑となるときに,読者の視覚に訴えて著者の意図するところをわかりやすく表すためである.したがって,論文中の図表のもつ意義は非常に大きく,しかも重要である.
図表はパワーポイントなどで作成し,高解像度な図が必要であれば,別途,TIFF形式,JPEG形式で用意してもよい.これらの場合,ファイル名に図表 の番号とファイル形式(fig1.jpgやtable2.tif)がわかるように記述する.ファイルの属性に作成者の氏名が保存されないように配慮する.
2-10-1 図と表の一般的な注意事項
(1) 図表の数は最小限とし,ほぼ同一内容のものを図と表に分けたりしない.
(2) 図は掲載時には縮小されることを考慮して単純,簡潔にし,細かく複雑なものは避ける.
(3) 図表は本文中に前後1行開けてFig.1,Table 3と記述する.
(4) 過去に報告された論文の図表をどうしても引用掲載しなければならないときには,図表の説明文のところに引用したことを明記する.
(5) 図表中の表題,用語はすべて英語とする.
2-10-2 図(写真)の書き方
(1) 図には,グラフといわれる変化・経過を示すものや臨床写真,装置・器具の配置を示すシェーマ(写真),および設計図やブロックダイヤグラムなどがある.
(2) 写真は,鮮明であること.また縮小されて掲載されるので背景は単純なものがよい(特別な場合を除いて白かグレイのモノトーン).
(3) 写真中に文字を入れるときには,書体を揃え,縮小してもつぶれないように大きめにする.また大きさを示したいときには,人物や物差しを入れるとよい.
(4) 臨床写真は,刷り上がり紙面1cmあたり200画素は必要であり,画素数に注意する.カラー印刷は実費となる.
(5) 設計図は,実際の図は細かすぎるので必要な線だけとし,字句も簡潔に寸法も主要部だけに入れる.
(6) グラフでは,縦横線の目盛りは必ず内側に入れる.曲線は太く描き,一枚のグラフに数多くの線を引かないようにする.
2-10-3 表の書き方
表は実験結果,調査結果,分類等を数字または言葉で表現したものである.表は最低3カラム以上で構成されるものとし,2カラムの表は本文中で記述する.大きさはページの幅内に収まるのがよく,ページの大半を表が占めるのは見苦しい.そのため,すべての結果をむやみに羅列するのではなく,著者が主張したいことだけを整理して簡潔にまとめるのがよい.
表中の語は簡潔に,数字は有効数字をそろえる.単位も明瞭に記入する.

3. 投稿時の構成

≪ 3-1 論文種別 ≫

投稿規定の投稿区分に基づき,原著・ノート・臨床技術・速報・資料の中から希望する論文種別をプルダウンによって選択する(但し査読結果によって変更されることがある).多くの論文が「原著」で投稿されてくるが,投稿規定と下記の説明から考えて適切な投稿区分を選択する. 「臨床技術」を大いに活用していただきたい.
「原著」 これには独創性が求められるため,審査も慎重となり受理までの期間も長くなる.通常1~3回程度,書換えや修正を求められることが多い.刷り上り8ページ以内.
「ノート」 新しい機器の評価や新しい視点からの考案などに関するもので,原著ほどの独創性は求められない.刷り上り8ページ以内.
「臨床技術」 当学会員には最も気軽で投稿しやすい分野である.臨床に役立つ情報であれば何でもよく,オリジナリティは問わない.刷り上り8ページ以内.
「速報」 独創的な研究で早急に発表する必要性が認められるもの.論文が短いため核心部分を要領よくまとめることが重要である.研究が完成した後に原著で投稿する.刷り上り4ページ以内.
「資料」 その他,会員に役立つデータなど.刷り上り6ページ以内.

≪ 3-2 和文標題・英文標題 ≫

標題は論文内容を明確に表現し,あまり長くならないようにする.この標題によって読者が論文のおおまかな内容が推測でき るように,研究の主題が正確に伝わるような言葉を使い,具体性のあるものがよい.また,続報はサブタイトルを変えて付け,単に第2報などと名付けるのは避 ける.

≪ 3-3 共著者情報 ≫

共著者 共著者名(11名まで)の和氏名と英氏名とメールアドレスを登録する.儀礼的に上司(所属長)などを連名することはしな い.共著者として名を出すのはその論文内容について十分に責任ある受け答えのできる人でなければならない.ただ,意見や批評をしてくれたという理由で共著 者にするのは正しくない.このような場合には論文の最後で謝辞を述べる.
著者名の記載順位は,研究の遂行にあたって寄与の大きい順に記載する.また,論文内容で臨床的要素の濃い論文については,責任の所在を明確にするととも に論文の信頼性をより高めるうえで,共著者に医師を入れることが望ましい.
共著者が責任著者(Proceeding author)になる場合は下段のチェックボックスにチェックを入れる.ただし,責任著者は電子投稿システムのデータベースにユーザとして登録されていなければならない.
共著者には,論文が新規投稿された時点で自動的に,確認承認のメールが送られるので,共著者として本論文の責任を共有することを承諾しなければならない.
所 属 各共著者の勤務先・所属を記入する.投稿時に別の施設に移っているような場合には,元の施設を示し,現在の施設は括弧書きで記載する.

≪ 3-4 和文抄録・英文抄録 ≫

和文抄録 研究の目的と結果,結論を簡潔に400字以内にまとめる.
英文抄録 和文抄録を英訳して250語以内にまとめる.アルファベット6文字で1語と計算する.カンマやピリオド,スペースも1字と数える.英文に自信のない方は投稿時に,前項の和文抄録を翻訳業者に依頼する.ただし,その経費は著者負担となる.

≪ 3-5 付属情報 ≫

キーワード キーワードは研究内容に関する単語を5語以内選び,英語で記載する.コンピュータによる文献索引を容易にするため,5語 以内に大項目から小項目へとうまく網羅するのがよい.できれば研究区分の中から1~2語選択するとよい.元素名,化合物名,慣用になっている略語について も省略せず,正式名称を用いる.
投稿分野 論文の研究分野を示し,情報収集と索引を容易にするため,キーワードとともに,本学会が定めた研究区分コード表付録 5〕から最も適当と考えるコード番号を選択する.展開を行いできるだけ小項目から選択する.研究分野が複数にまたがる場合には,複数のコード番号を選択してもよい.
投稿前チェックリスト 倫理規定・個人情報に関しては,客観的な判断でクリアされていない場合は投稿を受理できないので真摯に対応していただきたい.その他,投稿規定ならびに論文構成がフォーマットに則っていない場合は受理できない.
謝 辞 2-8 謝辞」を参照
別 刷 別刷りは全額著者負担で,その料金は,原稿の種類を問わず,
・1~50部  :14,000円(税抜き)
・51~100部:17,000円(税抜き)
・100部を超える分については1部当り140円(税抜き)を加算
 (例:110部の場合は、17000+140×10=18,400円(税抜き))
である.また,送料も著者負担となる.
なお,論文のPDFファイルは無料でダウンロードできる.
コメント 本論文に対して編集委員会に伝えたいコメントがあれば記載する.ただし,本会では著者が査読者を選択することはできない.

≪ 3-6 本文 ≫

2. 論文の構成」を参照

≪ 3-7 英文による図表の説明・和文による図表の説明 ≫

本文では図表の説明は英文で番号順に記載し,参考文献の後に一括して掲載する.説明文は内容が理解できて簡潔な表現とする.続いて,和文による説明を英文の番号順に対応して作成する.

≪ 3-8 図表 ≫

4. 投稿論文の取り扱いについて

≪ 4-1 投稿論文の取り扱い ≫

(1) 投稿された論文は,編集委員会/株式会社メディカルトリビューン内が受け付け,完成原稿であることを確認した日を受付日 として一連の整理番号を付与し,受け取りを著者へ通知する.しかし,論文の構成が本学会の様式とは異なるときや生命倫理に配慮がなされていない場合,誤 字,脱字などが多く審査に際して不備のある場合には,受付をせず理由をつけて著者に返送する.
(2) 論文は副委員長に送付され,副委員長は論文を粗読のうえ,各専門分野の担当編集委員を指名し,論文の精読と査読者の決定を依頼する.しかし,担当委員が審査に廻すまでもなく内容に問題があると判断したときには,理由をつけて著者に返送する.
(3) 担当編集委員は2名の査読者を決定し,各査読者へ論文を送付する.査読者は,論文のオリジナリティ,実証性,構成,表現 方法,用語,他学会誌に報告されていないかなど多項目にわたって査読する.査読期間は20日とし,査読者には著者名,所属を知らせない.同様に,著者にも 査読者名を知らせない.
(4) 2名の査読結果を受け取った担当委員は,内容をチェックして論文の掲載区分および受理の適否について委員長に答申する.最終的な決定は,委員長と担当委員の協議によって決定する.決定は,受理,条件付き受理,棄却のいずれかをとる.
最初の査読結果は,原則として受理から45日以内に著者へ通知する.
(5) 受理の場合には,委員会から著者に通知する.著者は,電子投稿システムトップページから「著作権移譲書(図-④」をプリンントアウトし,自筆でサインを行った上でPDFもしくはFAXで編集委員会に送付する.同時に,編集委員会はnative speakerに英文抄録と図表,図表の英文説明の閲読を依頼する.
(6) 英文,用語などの修正を受けた初校刷りを著者校正として著者にPDF形式のファイルを電子メールにて送付する.一般に受 理された論文は,その後の字句の訂正を禁じているが,査読時にこれら用語や表現をすべて調べることは困難である.そのため,初校の折に編集委員会の責任 で,内容には触れることなく用語と表現を訂正して著者に確認を求めることがある.
(7) 査読後,受理とならないときには編集委員会のコメントをつけて著者に返送する.条件付き受理とは,大きな訂正箇所はなく,数カ所の軽微な訂正のような場合で,それらの訂正を条件に受理するというものである.
(8) 多くの論文は,査読者から疑問点や修正箇所の指摘があり,再度著者が査読内容を検討して論文を再投稿してもらうことにな る.このとき,著者は査読者の意見に対して反論してもかまわない.査読者といえども,間違いや思い違いをすることがあり,査読者の意見が当を得ていないと 判断したときには,そのことを指摘して著者の見解を述べればよい.
(9) 担当編集委員は,査読者と著者の意見を比較し,必要があれば著者の意見を査読者に回し,再度査読意見を求める.最終的な判断は,担当委員が決定する.このようなやり取りは,論文によって異なるが,通常,1,2回行われている〔付録 6〕.
(10) 再投稿論文の返送期間は60日としているが,5カ月目に通知し6カ月を経ても再投稿されないときには,著者側の理由によって取り下げられたものと判断する.その後,同様の論文が投稿されても新規投稿として取り扱う.
(11) 不採択の場合には,その理由を編集委員会から著者に編集委員会コメントとして連絡するが,この場合も著者は,編集委員会の見解が不当であると判断したときには反論してもかまわない.
(12) 論文を掲載するか否かの最終的な決定権は編集委員会にある.すべての論文は公平に取り扱われ,査読に対する著者の反論余地は常に残されている.

≪ 4-2 本誌が取り扱う論文の範囲 ≫

査読の段階で,”他学会誌へ投稿する方が適当である”との意見が付されることがある.つまり,論文の質よりも取り上げた テーマによっては,本学会誌になじまないと判断する場合がある.この場合の判断基準を明確に示すことは非常に難しいので,現在ではその都度,内容を見て判 断している.原則的な考え方を下記に示す.
「本学会の研究区分コードに該当していない論文で,本学会にその分野の会員が少なく,また放射線技術に関する内容が乏しいもの.」

≪ 4-3 二重投稿論文 ≫

他学会誌にすでに掲載された論文で,その著者または共著者が本学会誌に投稿した場合には,二重投稿論文と判断する.ま た,同時に二つの学会誌に投稿することも同様である.これは,どの学会誌に掲載される論文も「原著性」を重んじているためである.投稿された論文の本文や 図表が他学会誌に掲載された論文と多少変っていても,その論文の要旨がほぼ同じであると編集委員会が判断したときには,本学会誌には掲載しない.ただし, 会員に科学・技術に対する情報の提供や広報の目的として「寄稿」という投稿区分を設けている.
しかし,他学会誌に掲載された論文でも,その後の追加実験や臨床経験など新しい知見が加われば,原著性を認めて採用することもある.

≪ 4-4 生命倫理への配慮および個人情報の保護 ≫

論文の内容は,本会倫理規定に則って生命倫理に十分配慮なされていなければならない.個人が関与するいずれの実験におい ても,研究機関に設置されている倫理審査委員会の承認を得た研究であることを本文中に明記するとよい.また,臨床画像など個人の医療情報を扱う研究の場合 には,ID,氏名,生年月日,住所などを消去して個人を特定できないようにする.症例や事例により個人を特定できないようにすることが困難なときには,本 人の同意を得ること.また,視覚評価(観察者実験)を行った場合には,その結果を公表することに関して観察者の同意を得ていることを明記すること.
動物を使用する場合,遺伝子組み換え実験を行う場合においても,相応の委員会にて承認を得なければならない.

≪ 4-5 その他 ≫

投稿論文は,それぞれの分野の最先端の内容を含んでいるため,査読者,編集委員会でその内容を判断しきれない場合があ る.当委員会では,そのような場合,広く会員にその内容を知らしめ,多くの意見を求めることを前提に掲載に踏み切っている.論文の真の価値は,多くの会員 の支持が得られることで与えられると考えている.したがって,掲載された論文に対して,疑問点や意見のある場合には,投稿区分の「討論」の項目を使って著 者に質問や討論をお願いしたい.

5. 原稿の書き方、用語

(1) 投稿書式
  和文原稿は,A4判用紙に作成し,文字サイズ12ポイント,行間18ポイント,明朝体で,ワードプロセッサーソフト(マ イクロソフトワードなど)で作成する.行番号を入れて,査読者が本文中の場所を指示しやすいようにすること.本文中に数式がある場合には,PDFに変換し て投稿する.ワードファイル,PDFには,作成者の氏名,所属が保存されることがあるので,削除して投稿する.
(2) 原稿量
  論文の原稿は図表等を含め投稿規定の「別表」に定められた字数以内にまとめる.刷り上がり1ページを2400文字に換算する.図表はそれぞれ1枚を400字に換算する.
(3) 印字
  コンマ,ピリオドはすべて全角(英文は半角)にて記入し,アラビア数字,ローマ字は必ず半角文字として記入する.
(4) 用語
  できるだけ慣用的なものを使う.外来語は原則として,片仮名書きとする.
放射線技術学に関する学術用語は本学会発刊の「放射線技術学用語集(1994年版)」に収録されている用語を使用し,その他の専門分野における学術用語はそれぞれの学術用語集を参考にして正しい用語を用いる〔付録 1〕.
人名・地名・学名などを日本語で書くと誤解を生じるようなときには原つづりのままとする.
慣用となっている略語(例: MTF)でも初出時には「modulation transfer function: MTF」のように正式名称で定義する.文中に専門用語として英語を用いる場合は,固有名詞以外は小文字を使用する.文頭にくる場合,はすべて大文字とす る.
(5) 数量
  数量の単位は国際単位系(SI)を用いる〔付録 2〕.
(6) その他
  MR検査に用いるT1値,T2値,T1強調像,T2強調像の数字は下付き文字とする.
原則として,単位(kg, J, Cなど)や関数(sin, expなど),シンボル(交点A,maxなど)には立体文字を用い,量を表す変数や係数(速度v,距離x,係数rなど)や菌類などのラテン語由来の学名(Staphylococcus aureusなど)にはイタリック体を用いる.

 

平成27年4月4日 一部改訂