会員の皆様におかれましては,新しい年を迎えられ新たな気持ちで希望に満ちた1年を構想されていることと存じます.

 さて私が一昨年,本学会の代表を務めるにあたり目標といたしました重要項目は,以下の三つ,①会員を基本とした事業展開,②グローバル化の継続,③公益社団法人としての国民の健康と福祉への還元でした.おかげさまで会員の皆様のご協力と素晴らしい執行部の協働で,概ね順調に実行できているものと考えております.会員の皆様からの声をフィードバックする手段としましては,2年前から学会事業評価委員会を設置し,第三者の目から事業進捗を評価するとともに会員へのアンケート調査も施行され,各事業にフィードバックが行われています.また,グローバル化の継続に関しましては,昨年春の第72回総会で,CyPosおよびスライドが全面英語化され,本学会で発表された研究内容がすべて海外の方にも理解いただけるようになりました.これにより会員の研究が世界へ発信できるとともに,日本の放射線技術学のレベルの高さを世界へアピールできるものと考えております.また,英語論文誌(Radiological Physics and Technology)もインパクトファクタの取得に向け活動を始めています.加えて国民の健康と福祉への還元におきましても,もちろん本学会が高い学術レベルの研究を公表すること自体が大きな国民への還元ですが,市民公開講座等を通して直接的な知的財産の還元も積極的に事業を行いました.

 また今年度の事業の重点項目としましては,論文数の増加と教育システムの充実を挙げました.研究は論文を公表し,知識・知見を共有することが目標ですが,残念ながら本学会においては学術大会での演題発表数に対し論文数が非常に少ないことが特徴です.この原因の一つとして,会員の中で論文を書き慣れていないために,論文投稿しても論文構成の不備から却下されているケースが散見されていました.優れた内容の研究であっても,上記の理由で却下されることを防ぐため,編集委員会ではシニア編集支援ワーキンググループを新設し,著者側の立場に立って論文が発刊されるようにサポートする事業を構築しました.これにより,より多くの有用な論文が発刊されると確信しています.ぜひ,会員の皆様の多くの論文投稿をお願いいたします.加えて,教育システムの充実としましては,e-Learningシステムをより効果的に作成することを進めました.現在,学会ホームページの会員のページからe-Learningを見ていただくことが可能ですが,非常に完成度の高いものとなっています.地域によっては,学会の学術大会やセミナに参加しづらいという会員もおられると思いますが,e-Learningでは場所や時間を選ばず勉強していただくことが可能ですので,ぜひ有効にご活用いただければと考えております.

 学会事業を進めるにあたり,執行部では「学会のあるべき姿・意義・目的」を常に考え,原点回帰しながら今年も,会員の皆様とともに学会事業を進めていく所存です.
 今年の学会事業の目標は,学際化,特に学問の境界領域との融合を積極的に進めたいと考えております.すなわち,医学,工学,物理学,数学など多くの学問との融合により放射線技術学のさらなる飛躍を期待しています.どうぞ,引き続きご協力をよろしくお願いいたします.